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読み物「蚕のお話し」1
古来より、人間の生活にとって、切り離すことの出来ない自然の宝物、蚕。
その蚕についての歴史、様々な逸話についておおくりします。



繭をつくる蚕●蚕の先祖「クワコ」

蚕は、人に飼われる以外に育つことの出来ない虫です。
蚕の先祖は、東アジアに生息するクワコ(桑蚕)であるといわれています。クワコは、桑の葉を食べて、小さな繭を作る蛾です。クワコの繭は、日本で飼育されている一般的な蚕の繭に比べて四分の一くらいの大きさしかありません。
大昔、クワコは「食料」として人々に食されていた、という説があります。やがて、中国では、クワコの作り出す繭から糸が紡ぎだせるという事に気づいた人々によって、長い年月をかけ、家畜化され、改良されてゆき、蚕となった、と考えられています。


●養蚕の発祥地、中国

養蚕は、およそ5、6千年前、中国ではじまったと云われています。
中国の祖と崇められている黄帝の后、西陵氏の娘るいそが、持っていた繭をうっかりお湯の中に落としてしまい、それを箸で拾い上げようとしていると、美しい糸が手繰り寄せられた、これが絹の発見である。るいそは養蚕、製糸、織物の技を開発し人々に広めた…、という伝説があります。
中国では、殷の時代に入ると、衣料のために絹織物生産が、行われるようになりました。この時代の絹織物の中には、かなり精巧なものがあらわれるようになりました。殷代の甲骨文字には、蚕・糸・桑といった文字がみられます。
軽く、滑らかな手触りの美しい絹織物の登場は世界に大きな影響を与えました。


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